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2011年ベストアルバム20

2011年に発表されたアルバムの中から、
特によく聴いていたものを20枚選びました。
一応番号は振ってありますが、ランキングというより、
「この20枚が好き」という感じですね。
自分の主観で選んだのですが、並べてみると、
静かな雰囲気の作品を多く選んでいる気がします。
今年の素晴らしい出会いに感謝しつつ、
来年も素晴らしい音楽に出会えることを願って。




1. Nujabes / Spiritual State
生前にほぼ完成させていた音源をまとめた、3rdにしてラストアルバム。
心に安らぎをもたらすメロウな旋律は変わらないままに、
今までの作品の中でもっとも穏やかで静謐感さえ漂う、
ここではないどこかを追憶しているような楽曲たち。
音楽への真摯な愛情が詰まっている。



2. Giorgio Tuma / In The Morning We'll Meet
ストリングス、ホーン、シンセ、コーラスの入れ方、
そのどれもが夢見るように美しい。
イタリアから届いた、現代版ソフトロックの最高峰。
子供の頃に読んでもらったお伽話のための
サウンドトラックがあるとしたら、きっとこんな感じ。



3. Seun Anikulapo Kuti & Egypt 80 / From Africa With Fury Rise
野性味の先鋭化とでもいうべきアフロ・ビートの最新系。
土着的なホーンとリズム隊の迫力を削ぐことなく、
空間の広がりを感じさせる音作りがなされているのは、
プロデュースに関わったブライアン・イーノの貢献か。
生々しさと人工的な手触りの魅惑的な融合。



4. Brent Cash / How Strange It Seems
メロディーの輝きがジャケットの浜辺のようにまぶしい、
ビーチ・ボーイズやソフトロックの名作への真っ直ぐな愛情に溢れた、
一切の衒いもない現代のサンシャイン・ポップ。
インナーの謝辞にルイ・フィリップの名前があるということに
微笑んでしまう人は必聴。



5. Bonnie "Prince" Billy / Wolfroy Goes to Town
混じりっけなしの濃いバーボンを
夜中で一人傾けているような、渋くも優しい一枚。
カントリー、フォーク、ブルースを
じっくりと蒸留させた演奏もさることながら、
本人の歌声の味わい深さが他の何にも代えがたい。



6. James Blake / James Blake
21世紀のブルー・アイド・ソウルとして聴くべき、密やかな美しさ。
聴く者の耳元で鳴り続けるような、
静かなる熱狂と一瞬の瞑想をもたらすダンス・ミュージック。
繊細なプログラミングによるロウ・ビートと、
囁きそのもののボーカルに、蒼くほの暗い情熱が聴こえてくるはず。



7. Mayer Hawthorne / How Do You Do
往年のソウル・ミュージックを現代に蘇らせる
白人ソウルマニアの2nd。
前作より音の幅が広がり、爽快なポップさが前に出てきて
逆説的だけれど、ブルー・アイド・ソウル的な質感もあったり。
その「こなれている感が」良い方向に出ていると思う。



8. Canon Blue / Rumspringa
チェンバー・ポップと紹介されてはいるが、
ストリングスの不思議な入れ方、妙なリズム、
ボーカルの入り方がとにかくいちいち耳に残る。
やたらとキャッチーなリフも含めて、
今まで聴いたことがあるような、ないような。そんな不思議なアルバム。



9. Goldmund / All Will Prosper
アメリカ南北戦争時代の音楽を丁寧になぞったカバー集。
旋律の一つ一つをいとおしむようなピアノの豊かな残響はそのままに、
アコースティックギターの優しい爪弾きが、音像をより和やかに仕上げている。
ピアノのペダルを踏む音やギター弦の擦れる音まで豊かに感じられる、
リアルな録音も特筆すべき、モノクローム色の素朴な輝きに満ちた銘品。



10. Ron Sexsmith / Long Player Late Bloomer
「いい曲」がただそこにあるだけ、という快感。
よりポップで厚みを増したアレンジによる、弾けるような爽快さ。
初期のフォーキーな優しさに開放感が加わったものの、
日常にありふれた美しさをそのまま歌う素朴な暖かみと、
穏やかな感傷とでもいうべきビターな味わいはしっかりと残してある。



11. Tatiana Parra & Andres Beeuwsaert / Aqui
アルゼンチンの広い平原を思わせる、
不思議なコード感のピアノと美しい歌声の重なりあいが
聴く人の心を静かに落ち着かせてくれる。
アルバムのエンディングを飾る
「Corrida de Jangada」は絶品中の絶品。



12. Nils Landgren / The Moon, The Stars And You
ほぼ全編に渡って彼自身がボーカルを披露。
親しい友人に話しかけるような、優しい歌声が心をあたためる。
たおやかなピアノ・トリオをメインに、
曲によってゲストや洒脱なオーケストラが加わる編成も心憎い。
暗い部屋に蝋燭を灯すような、気持ちをそっと明るくしてくれる一枚。



13. Gretchen Parlato / Lost & Found
女性ジャズボーカルものなのだけれど、
「Jazzy not Jazz」の最良型というか、
バックの演奏と本人の歌声の雰囲気の良さ、
センスが何よりも素晴らしい。
「Juju」や「Blue in Green」という選曲も最高。



14. Booker T. Jones / The Road from Memphis
The Rootsのメンバーがバックを固め、
タイトかつファンキーに煽る極上のソウルアルバム。
御大のオルガンも、出るところはがっちり出る、
引くところはしっかり引くというバランスが完璧。
ゲストのボーカリストの選出も抜群。



15. Jono McCleery / There Is
震えるようなボーカルと、スリリングかつ繊細なプロダクション。
音の質感は違えどJames Blakeのアルバムに近いような。
あちらが「ダブステップ+ブルー・アイド・ソウル」なら、
本作は「SSW+ダブステップ」という感じ。
風にたなびくようギターの音色と歌声に、そっと目を閉じる。



16. 山下達郎 / Ray of Hope
ほとんどいつも通りだし、どれも同じ感じだし、
昔から何も変わっていない。
それらが何のマイナスにもならないというか、
聴いているとやっぱり感動しちゃうのが流石としか。
どこを切っても山下達郎のクオリティ。



17. Gillian Welch / The Harrow & the Harvest
本人のアコギやバンジョーの弾き語りに、
旦那のDavid Rawlingsのギターとコーラスが
そっと寄り添う、カントリー風味も漂う素朴なフォーク。
曲も演奏もシンプルにして実に心地よい。
ジャケットも名盤の風格。



18. The High Llamas / Talahomi Way
何もすることがない休日の昼下がりのような、
コードと音色の巧みな配置による、コンパクトな音の箱庭。
ビーチ・ボーイズを思わせる穏やかなハーモニー、
夢見るようにノスタルジックなアレンジはそのままに、
よりアコースティックに、よりまろやかに。



19. Mark McGuire / Get Lost
シューゲイザー meets アシュ・ラ・テンペル」。
サイケっぽさも感じるギターの重なりによるレイヤーと
ミニマルな電子音との絡み合いに陶酔。
浮遊感と陶酔感を漂わせた、
明るい夏の夜の空を眺めているような、穏やかなサイケデリア。



20. 平賀さち枝 / さっちゃん
女性の明るい声ではきはきと歌われる、
ささやかな世界を歌う現代の四畳半フォーク。
ありそうでなかった世界なので、
サブカル方面に変に消費されないことを祈る。
中央線沿線で暮らしている若者たちに素直に届けばいい。